キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「西園寺さん!もう一本!!」
「ま、任せて!とりゃっ!」
「……」
しかし、このボールも今度は反対側へと落ち、バウンドしながらコロコロと転がっていく。
なぜっ!?!?
みんな、絶望的な顔で私を見てくる……。
そう。
すっかり忘れてたけど実は私、めちゃくちゃ運動音痴でした。
特に球技はからっきしダメ。
どうしようどうしようどうしようどうしよう。
これだけ練習に参加したのに、まるで上達しなかったとか……。そんなことってある!?
球技大会はもう明日なんだけど!?
「ま、まぁ、大丈夫だよ西園寺さん!そんなに気を落とさないで!西園寺さんの分もみんなでカバーするからさ!本番は、西園寺さんが取れそうな時に取ってみてね!」
「う……うぅ……ごめん……」
「とりあえず、一本でも多く返せるように頑張ろう!」
「う、うん!」
仲間に入れてもらっておいて、役立たずどころか足でまといなるなんて最悪だ……。
いや、だけど落ち込んでたって何にもならないよね!
とにかく練習!
練習あるのみ!!
なんて意気込んでたのに……。
「お前だけドッジボールと勘違いしてないか?」
この声は!!!!
声のする方を振り返ると、脚立を肩にかけ意地の悪い笑みを浮かべた会長の姿。