キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
私の手を掴む会長の手から、特別な気持ちが染み込んで来る気がして、高鳴る鼓動を抑えることができない。
「それじゃあ、帰るか」
「え!?も、もう!?」
はっ!しまった!!
私何言ってるんだ!!
とっくに下校の時間は過ぎてるし、“もう”も何もないだろう!!
これじゃ、会長とまだ話していたくて引き止めてるみたいだ。
う……会長の視線が痛い。
「……家でも話せるだろう」
会長、どんな顔してるんだろ?私は多分真っ赤な顔をしてるから、俯けた顔を上げることができない。
「そうなんだけど……。か、会長忙しくて、しばらくこうしてゆっくり話してなかったから……。なんか、一秒でも惜しくて……」
私の手を掴む会長の指が、ピクッと動く。
それから、会長は片手で顔を覆うと盛大な溜息をついた。
「お前は何なんだ」
「え?」
「そうやって、俺の理性を試してるのか?」
「は?何言って……」
会長の言っていることがよくわからない。
キョトンと会長を見上げていると、会長が顔を覆っていた手をゆっくりと離した。
その目は、いつもの余裕ある会長と違う。
獰猛な“男の人”の目。
────ドサッ。
気付いたら、私は会長にベッドの上へと押し倒されていた。
私の手首を掴む、会長の手が熱い。