キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
窓からは濃くなったオレンジが射し込み、私達がいる場所を淡く染める。
「会長。寝ちゃったの?」
会長からの返事はない。
会長が私の隣で寝てる。
会長のほっぺをつついてみる。
反応はない。
私はよくリビングのソファーとかで寝ちゃうけど、会長がこんな風に寝るのは珍しいから、何だか新鮮。
さすがに今日は疲れたのかな?
会長も疲れたりするんだな。
思わず、クスリと笑みが零れてくる。
会長が……こんなに近くに感じる……。
何だか無性に甘えたい気持ちになって、私も会長の横にゴロンと横になった。
「……会長、あのね。私、ずっと“こんな学園になんて入りたくなかったのに”って思ってたの。この学園のことが、嫌いだった。いつ辞めてもいいって思ってた」
だから、友達なんていらなかった。
大切なものなんて必要なかった。
例え友達になったとしても、きっと“西園寺家”の名が邪魔をする。
誰も私のことなんてわかってくれるわけがないって、そう思ってた。
「だけどね。私、今日この学園に入って良かったって初めて思った。みんなに出会えてよかったって……」
“わかってくれない”じゃない。
わかってもおうとしてなかったんだ。