キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
7⋆*恋色花火
会長は家にいる時、メガネ率が高い。
会長は左利きだけど、なぜかお箸は右利き。
会長は目玉焼きは半熟、醤油派。
朝から結構シッカリ食べる。
後は…────
「おい」
「はい?」
「何なんだこの間から。毎日毎日、人のことジロジロ観察しやがって」
ギクッ!
き、気付かれてた!!
「み、見てなんかないし!」
「嘘つけ。とにかく止めろ。せっかくの清々しい休日の朝に、ストーカーにでも遭ってる気分だ」
「誰がストーカーだっ!!」
滝本と出くわしたあの日から、私は何となく前よりも会長との時間を意識するようになった。
というか、今までただなんとなーく過ごしてきた会長との時間を、もうちょっと大事にしてもいいかなって、そう思ったんだ。
会長とこうして一緒にいられるのも、きっと後少し。
恐らく夏が終わる頃には、私はもうここにはいない。
会長とこうして一つ屋根の下で暮らしていたなんて、きっと嘘だったかのように日常に戻っていくんだろう。
これまで、一緒に住んでたって“口煩いこと言われるの嫌だから部屋にこもっとこ!”くらいにしか思ってなかったし、家で二人きりの時の会長を特別意識したことはなかったけど、
この生活の終わりが見えてきた途端、ちょっと名残惜しくなってる自分がいる。