キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「精一杯やれ。お前なら出来る」
ねぇ会長。
不思議だね。
アンタにそう言われると、
私、今なら何でもできる気がするよ。
「うんっ!!」
*
夕方のテレビ番組は、どこの店の何が絶品……だとか、どこのデパ地下グルメが今熱い……だとかそんなんばっかりで、
いつもはこの時間、会長が帰ってくるまで私の腹の虫は鳴りっぱなし。
だけど、今日はそれどころじゃない。
全くテレビの内容が入ってきやしない。
それどころか、さっきから会長の帰りはまだかまだかとソワソワしっぱなし。
リビングの時計をチラリと確認する。
それにしたって遅い!
帰ってくるって言ってた時間、とうに過ぎてるし!
今日も会長は放課後、生徒会の会議かなんかで帰りが遅いって言ってた。
テスト期間の間、溜まってた仕事もあって忙しいのかな。
ゴロンとリビングのソファーに横になる。
あーもう。会長どんな反応するかな。
ドキドキする。
そう。
今日はこの間受けた中間テストの返却日だったのだ。
────ガチャ。
帰ってきた!!
玄関のドアの開く音がして、慌てて飛び起きる。
だけど、また慌ててソファーに寝転がった。