キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
4⋆*勇気をくれる人
「お前、その格好は何だ」
“休日だしまぁいっか”と少し朝寝坊して起きてきたら、リビングでテレビを観ていた会長に気付かれ苦い顔をされた。
「は?何が?」
「何がじゃない。その格好は何なんだと聞いてるんだ」
何って……。
自分の服装に目を落として首を傾げる。
キャミソール一枚に短パンってスタイルだけど何か問題でも?
確かに部屋着だけど、別に家の中だから問題ないよね?
6月に入ってからと言うもの、暑い日が続いていた。
梅雨の訪れを感じるジメジメとした暑さだ。
会長はお金持ちのお坊ちゃんのくせに案外節約家で、クーラーなんてまだ早いとか言ってつけてくれない。
だからというのもあって、家ではこうして涼しい格好でいるんだけど……。
それなのに、さっきから何だその顔は。
額に手を当てて、「はぁ〜」とか盛大に溜息をついてるし。
「何でもいいから上に羽織れ。足もそんな出すな」
「は?やだよ。だって暑いじゃん」
「いいから、黙って着替えろ」
「だから、やだって…」
「この家のルールは俺だ」
……むっかぁ。
相変わらず横暴なヤツ!
確かに居候させてもらってる身だけどさ!
服装までどうこう言われたくないんですけど!