キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
会長が、私の額にキスなんかするはずない。
思い出すだけで、今にも赤く染まり出しそうな自分に、待て待て!と心の中で戒めた。
「……私、アンタのそういう横暴なとこキライ」
「俺はお前のそういう可愛げがないところがキライだけどな」
さんざん睨み合って、お互いフンッと顔を背ける。
あーもう!!
やっぱりコイツめちゃくちゃムカつく!!
*
「てなわけで、先日決めた球技大会の種目別に、今日から毎週月水金で放課後残って練習をしようと思います!」
黒板の前に立つ球技大会の実行委員がやる気を見せる中、その話を聞いたクラスメイト達が口々に文句を言い始める。
こういうイベント事のたびに盛り上がるクラスも結構あるみたいだけど、うちのクラスはどちらかと言えばそうじゃない。
それは、学年が上がってすぐに行われる、親睦を兼ねたレクレーションですでに立証済み。
近くの大きな森林公園で、5クラス対抗クイズラリーをやったんだけど、まぁうちのクラスのやる気のないこと。
もちろん結果はさんざんだった。
だけど、私としてはそれが逆にありがたい。
だって、“さぁ!みんなで頑張りましょう!”なんてなったって、そのノリについていけるはずがないし。