星夜光、きみのメランコリー
『ま、そんなもんだろうね』
千歳くんからはすぐに返信がきた。そんなもんだろうね、だって。分かってたなら聞かないでほしい。恥ずかしいから。
スマホの画面と睨めっこしていたら、それを見ていた千種が意味ありげにこちらを見ていた。…にやにやしている。
「なに、千種」
言いたいことは、ちょっと分かる。
「いや〜あ。ひとりでニヤニヤしてスマホ見てたから、一色くんから何か言われたかな?と思ってだな」
…やっぱりね。
でも、あたしそんなにニヤニヤしてた?全然、自覚がないんだけど。
返す言葉もなく、そのままジッと千種の方を見ていると、頬杖をついていた千種は、グッとあたしに近づいて言った。
「てかさ、もしかしなくても天香、一色くんのこと好きになったりした?」
「…へっ!?」
突然ものすごく近くにきたと思ったら!
す、すすすすきとか、何言ってるの!?しかも、千歳くんのことなんて!
「もしかしなくてもって、なに!」
「え〜だって、前からふたりともなんか妙な雰囲気じゃん。どうやってそこまで仲良くなったのか知らないけどさあ。ていうか、知らないことがなんかちょっと悔しいんだけど」
天香のことは大体把握してると思ってたから!と、千種は少し怒ってた。いや、怒ってたというより、やきもちやいてる?
「妙な雰囲気って…。確かに連絡来ることもあるけど、テスト期間は全然話もしなかったよ」
千歳くんとの仲がどうなのかって、そんなのあたしが一番知りたいくらいだ。
気まぐれな千歳くんに振り回されているというのに。