心の闇
はぁ、イライラする。
私の怒りが口から出てきた。
『…は?なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないわけ?』
自分の想像以上に低い声が出た。
翔「……美優…?どうしたんだ?」
急になんだよ。
意味わかんない。
『…私、美優だよ?だけど、それを裏切った奴らになんでそんなこと言われなきゃなんねぇんだよ。意味わかんねぇ。』
私はぼそっといった。
どうせ翔にはバレたんだ。
翔「……やっぱ、美優だったんだな…久しぶり。」
『久しぶり翔。』
なんで美優って分かってんのに喋りかけんの?
なんで?
裏切り者でしょ?
消えて欲しい存在じゃないの?
乖離は?
翔「大丈夫。乖離には誰にもバレてないから。分かったの、俺だけだ。」
『なんで私に近づいてくるの?私、裏切り者だよ?』
泣きそうになった。
翔「美優、俺はお前の味方だよ。夢唯のあれ、自作自演だろ?俺、知ってんだよ。自分で自分に傷をつけてたのを。」
っ…
み、か、た?
味方なわけないでしょ。
『じゃあ、なんであの時否定しなかったの?』
否定してくれたら私は…っ。
『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・』
翔「っ…それは、ごめん。」
翔は背中をさすってくれた。
今さらごめんって言われたって…
あの時私がどんなに辛かったか分かってんの?
『は?今更ごめん…?意味わかんないんだけど?』
ちょっと強めに言ってみた。
殺気も1%だした。
ちょっとびびってる。
翔「…ほ、本当にごめん。」
謝ってくるけどまた裏切られないかな?
心配になってくる。
私知ってるんだ。
『私、知ってるよ。みんなが私を殴ってるとき、翔が殴ってるふりしてたの。だって、翔が殴るとき痛くなかったから。』
みんなが私を殴ってる時…
翔が殴ってくるとき全然いたくなかったんだ。
殴る直前でピシッと止まったから。
翔「…俺、美優だけは殴りたくなかった。真実を知ってたから。だから俺、美優の味方だから。」
乖離なのに味方?何いってんの?
馬鹿なんじゃ?
だけど、涙が流れてきた。
ありがとね。
翔。
『翔、ありがと。』
裏切り者、裏切り者。
今まで言われ続けてきた言葉。
翔「ううん。幼馴染だから。で、俺、乖離辞めるわ。で、地味男になってこの学校にくる…。それで美優と一緒にあの最低な夢唯にいや、乖離に復讐する。あの時はゴメンな…。」
いいの?乖離辞めて。
一緒に復讐してくれるの?
私には疑問がいっぱいだった。
『乖離…辞めていいの?』
後悔しない?
翔「俺、美優を傷つけたあいつらのこと大っ嫌いだから。」
私、翔のこと信じる。
ギュ
翔が抱きしめてきた。
涙が溢れてきた。
すると、翔が離れた。
さみしいって感じたのは気のせいかな?
『ありがと。翔、ありがとね。」
翔…
ありがとう。