きみだけに、この歌を歌うよ




「えっ、それどういうこと?」

「だからね、今日は九条くんに校内を案内してあげる予定だから一緒に帰れないの。ごめんね、梓」



九条くんの校内案内役に任命された、その翌日。

梓に一緒に帰ろうって誘われたから、正直に一緒に帰れない理由を話した。

梓は口をあんぐりと開いたまま、数秒間ぽかんとしていた。



「ちょ……いつの間に仲良くなったの?昨日の情報のときも、ふたり揃ってコンピューター室にきたよね!?」

「だからあれは、昨日なんども説明したようにたまたま会っただけなんだよぉ!」



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