きみだけに、この歌を歌うよ
なんでそんなこと言うの?
私はまだ好きなのに。
いきなりフラレて、こうも惨めな思いをさせられているのに。
それなのに嫌いになれないなんて、もどかしいし悔しい。
過去の九条くんもきっと、そんな気持ちで毎日を過ごしていたんだね。
「だからなんか、お前のことほっとけないんだよ。まるで昔の自分を見ているようだから」
「九条くん…」
「ん、なんだよ」
「ありがとう。泣いちゃったけど、でも……ちょっと元気でた」