きみだけに、この歌を歌うよ
「でも、そうやってちょっとずつ忘れていくもんなんだよ。フラレたこともいつか笑い話しにできる日がくるよ」
「……笑い話しに?できるかなぁ…」
「そのうち、あぁそんなやついたっけ?くらいに思うようになるって。時間が経てば自然とそうなるから」
「うん……」
「だからいまは、泣き虫でいいんじゃね?」
ぽん、と私の頭にまた九条くんの手がのっかった。
「な?」
「うん……ありがと、九条くん」
九条くんの温かい言葉に、また泣きそうになってしまった。