きみだけに、この歌を歌うよ



あ……九条くんだ。



となりの家からほとんど同じタイミングで出てきた九条くんと、ドアノブを握ったまま目があった。

このところは、朝によくこうしてばったりと会うことが多く、もう驚くことはなくなった。



「昨日も海で歌の練習してたんだね~?部屋で勉強してたら聞こえてきたよ」

「あ、わりぃ。うるさかった?」



< 173 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop