きみだけに、この歌を歌うよ
九条くんと肩を並べて歩きながら、新しくできた住宅ばかりの中を抜け、
学校まで一直線に伸びる桜並木の道にでた。
1ヶ月まえまでは満開だった桜も、いまでは青い葉が伸びてしまってる。
そんな景色は、決してきれいとは言えない。
……なんて。
周りを歩く生徒たちの視線が私に集まってるような気がするから。
桜を見あげたりなんかして、視線に気づかないふりをしてみたけれど…。
やっぱり、九条くんと一緒に歩いていると注目されてしまう。