きみだけに、この歌を歌うよ



「菜々?1時間目の授業は音楽だよ。早く音楽室に行こうよ」

「あっ、う、うん…っ!そうだねっ」



机からさっと音楽の教科書をとりだして、教室から出て行った梓を慌てて追いかけた。



「大丈夫?菜々、泣きそうな顔してるよ」

「ぜんぜん……大丈夫だよ。あはは」



首を縦にふると、瞳いっぱいに溜まっていた涙がぼろっとこぼれ落ちた。



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