きみだけに、この歌を歌うよ
「よし、じゃあ1時間目の音楽はサボっちゃおう!」
「……え?さ…サボる?」
「ほら、そんな泣きべそ顔じゃ教室入れないでしょ?私についてきて!」
「ちょっ……梓!?」
梓は私の手を掴むと、音楽室とは反対方向に走りだした。
サボるって言ったって、私はこれまでに1度だって授業をサボったことはないのに!
遅刻もなく真面目にやってきた。
だけど梓は違うんだよね。
こんなふうに、たまーに授業をサボることがある。