きみだけに、この歌を歌うよ



少しずつ、愁への想いを消化していけばいい。



いまは辛い思い出も、きっと、いつか楽しい思い出にかわるときがくる。

そんなこともあったなって、笑える日がくるんだって、いつかの日に九条くんが教えてくれたのだから。



「あっ、ねぇ九条くんっ!今日は九条くんの歌をあんまり聞けなかったからさ、また一緒にカラオケ行かない?」

「えー、菜々と行くと俺ばっかり歌わされそうだからヤダ」

「あら……バレた?だってアウトレットモールのイベントまでまだまだだし…。それまで九条くんの歌が聞けないって寂しいんだもん」



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