きみだけに、この歌を歌うよ



「昨日のカラオケはどうだった?やっぱり気まずかった?」



……気まずかった。

私と愁の間にだけ、重苦しい空気が流れていた。



私がこくんと頷くと、梓は「そりゃあ気まずいよね」と苦笑いをしていた。



「梓、私もう愁のことは諦めるよ」

「……え?マジで?」

「うん。だって愁、楽しそうに杏里ちゃんと話してるんだもん。私が入りこむ隙はないなってようやく気づいた」



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