きみだけに、この歌を歌うよ
どういうことだろう…。
愁が好きな人は、ずっと杏里ちゃんだと思っていた。
愁が私の他に仲良くしていた女の子といえば、杏里ちゃんくらいだった。
というか、杏里ちゃんが目を光らせていたから女の子は誰も愁には近づけなかったのだ。
愁も杏里ちゃんにだけは自分から話しかけたりして、積極的に仲良くしていたようだった。
だから私は、愁の好きな人は杏里ちゃんだと疑わなかった。
もしかして、私が知らないだけで他にも仲良くしていた女の子がいた…とか?