きみだけに、この歌を歌うよ



だって愁は、私と目も合わそうとしてくれない。

そんな状態なのに、会話なんてしたいはずがないんだ。

拒否されることが目に見えていて、話しかける勇気なんてあるわけがない。



「つーか、ずっと気になってたんだけど……。なんで菜々はまだアイツのことが好きなのに、その気持ちを本人に伝えようとしないんだ?」

「したよ……1回、ラインで言ったよ」



やっぱり嫌だ。

別れたくないって言った。

でもごめんって言われた。

私の気持ちは、受け入れてもらえなかったんだ。



だから、それからは言ってない。



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