きみだけに、この歌を歌うよ
「そういう大事なことは、ちゃんと本人の目を見て言えよ?文章だけじゃ伝わらねぇと思うよ」
「それは……わかってる」
私の気持ちを、愁に直接話すべきだってことはわかってた。
だけど、どうしても愁の前に立つ勇気がもてなかった。
愁の冷たい目が、冷たい言葉が怖かったから。
愁の口からでる言葉には、きっと感情がこもってないんだろうな。
氷のように冷たくて。
刃物のように尖った言葉が飛びだすかもしれない。
そう思うと、傷つくことが怖かった。