きみだけに、この歌を歌うよ
どきり、と胸が高い鼓動をうつ。
「そっちの方がいいよ。笑ってる方が可愛い」
九条くんの指が、私の髪の毛をさらりと撫でる。
恥ずかしくなってきて、熱を帯びた顔をぷいっと背けた。
「まぁ……明るいところだけが私のいいところだと思ってるからっ。いつまでもウジウジできないなって!」
顔だけじゃなくて、身体も一瞬にして熱くなった。
心臓だって、弾けるように激しく鼓動してる。
「アイツともっかいちゃんと話し合えば?って思ったけど……菜々が決めたことだから、これ以上のことは言わないよ」
やっぱり私……九条くんのことが好きだ。