きみだけに、この歌を歌うよ




「今日の放課後、俺が杏里と話してたところを覗いてただろ?」



やっぱり、その話しだったか…。

でも、覗いてたことに対して怒ってるわけじゃないみたいだ。

私を見つめる愁の目は変わらず優しい。



「あれはたまたま…。あの場に居合わせただけで故意に見たわけじゃないから」



なんなら、あんな目立つ場所でケンカしていた愁が悪い、くらいの態度で言ってやった。



「じゃあ、ケンカの内容は聞いたよな?今日はどうして俺が菜々と別れたのか、その理由を話しにきたんだ」



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