きみだけに、この歌を歌うよ




とある日はわざと肩をぶつけられ。

とある日は足をかけられ、転ばされ。

靴箱から買ったばかりのローファーが、消えていたこともあった。



『ん?なんか今日、元気ない?』

『えっ?ぜんぜんっ!ぜんぜんそんなことないよ?』



放課後、一緒に歩いていると愁にたびたびそう聞かれていた。

だけど私は、杏里ちゃんに嫌がらせをされていることは言わなかった。



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