きみだけに、この歌を歌うよ



名前も知らないふたりの女の子たちが、私と九条くんを通り越していったときだって。

どうしてあんなブサイクと?ってあからさまに私を振り返りながら、イヤミを言われたときも守ってくれた。



『おい、待てよお前ら。いまなんつった?それ菜々に言ってんの?菜々は俺の友達なんだけど。傷つけるようなことをしたら許さねぇからな』



怒りを顕にしてそう言ってくれた出来事があったりもして。

その日を境に、九条くんと一緒にいても睨まれたりすることは少なくなった。




< 365 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop