きみだけに、この歌を歌うよ
「たしかに最初は好きじゃなかったよ。でも付き合ってたころは、私だって死ぬほど愁が好きだったよ」
付き合ったきっかけはよくなかったのかもしれない。
だけど。一緒にいるうちにすぐに愁のことを大好きになった。
これから先も、ずっとずっと一緒にいたいと思うくらい好きになった。
「知らねぇよそんなこと!お前みたいなブスさっさと消えろ、学校やめろよ目障りなんだよ!」
私からすれば、邪魔者は杏里ちゃんだった。
杏里ちゃんさえいなければ、私と愁はまだ付き合ってたかもしれない。
幸せを、壊されることはなかったんだ。
「なによ……その攻撃的な目はっ!」