きみだけに、この歌を歌うよ
それから私が九条くんに会えたのは、さらに3日ほどたった日のことだった。
土曜日の17時。
自分の部屋に寝転がって、スマホゲームをしていたときのこと。
窓のむこうから小さく、ギターの音が聞こえてきた。
この音は……もしかして九条くん?
慌てて窓から顔をだして、浜辺を眺めてみると……見つけた。
白い半袖のTシャツをきた、九条くんの背中を。
「九条くんだっ!」
スマホをベッドに放り投げると、急いで階段をかけおりた。