きみだけに、この歌を歌うよ
「九条くーんっ!ちょっとぉーっ、なんで1週間も休んでたのよぉっ」
ぼんやりと海を見ながら座りこんでいた九条くんは、すぐ近くまできた私の存在にも気づいていなかったみたい。
声をかけるとようやく、私に気づいてくれた。
「おー……びっくりしたぁ」
目を見開いて驚いている。
あれ…。
九条くん、声が掠れてる。
それに表情も少し、疲れているように見える。
「どうしたのその声?もしかして風邪ひいてる?」
「いや…風邪はひいてねぇけど…」
「そう…?なんか体調わるそうだなって思って…」
九条くんのとなりに座ってみて、その横顔を見てみたけどやっぱり疲れているように見えた。