きみだけに、この歌を歌うよ
九条くんはもう……この先も、歌わないつもりなのかな?
「なんでそんなこと聞いてくんの?」
「あ……いや…」
もう歌の練習はいいの?
なんて…気になるけど、そんな無神経なことは言えなかった。
「いっ……石をねっ!」
「石?」
「そっ、そう!石をね、どっちが遠くに飛ばせるかなって勝負したかったの!あはは!」
……この誤魔化し方はさすがに、不自然すぎる?
「え?そんなの俺が勝つに決まってんじゃん?」
九条くんもなに言ってんだコイツ、って思っているのか眉をひそめている。