きみだけに、この歌を歌うよ
だからと言って、その言葉の裏に恋愛感情があるのかってことはわからない。
わからないっていうか、ないか。
私がしつこく歌ってほしい、だなんて言ったからだ。
そんなに言うなら仕方ないから菜々のために歌うわ、ってだけのことかなって思ってる。
「おっ!それってもしかして、ラブソングとか歌ってくれるんじゃないのぉ!?」
「いやいや…そんなんじゃないと思うよ」
九条くんは私のことを、はっきりと『友達』だって言っていたのだから。
だからきっと、私の恋は報われないんだろうなって思ってる。