欠片のオルガン
窓辺
目を覚ますと予想どうり、彼女はオルガンを弾きながら俺を見ていた。
「また寝てたの?」
「別に良いだろ」
これも予想どうり。
いつもの会話。
俺らはこれ以上会話をしない。
俺、彩月貴裕と彼女、彩月星夏は遠い親戚。
昔から家が近くて、当時俺が大学生で中学生の星夏に勉強を教えてほしいと頼まれた。
それから、何度か勉強を教えている。
それは今でも変わらずに、現在俺は社会人。星夏は高校生になっていた。
大学生の時に無かった、恋心を持って…