オオカミ彼氏
出会い
都会から大分離れた山里。
小さい頃から私はここで育った。
交通の便はあまり良くないけど、空気も澄んでいるし、ご飯も美味しいし、何よりも皆が仲良い。
私の学校の裏にある山には、とても希少な野生のニホンオオカミが住み着いていると昔から聞かされていた。
そしてあの時ーーー
「やべぇよ、オオカミじゃん」
「でも、まだ小さいし今のうちに駆除できるんじゃね?」
「そーだな。…やっちゃうか」
私は偶然、刃物を手に持ったクラスメイトに出会ってしまったのだ。
彼らはまだ小さいオオカミを殺そうとしているらしかった。
そして彼らが一斉にオオカミにかかろうとした時ーーー