オオカミ彼氏
「彼を信じよう」
そう言って、お母さんの手を取って階段を上がっていった。
「…ほら、みーちゃんも」
「…でも」
「行かないなら今から俺が食べちゃうよ?」
「…っっ!!」
少し躊躇したけど、私も桜庭くんの事を信じて、2階に上がることにした。
階段を上がっている途中、
「…無理しないでね!」
って彼に声を掛けたけど、彼は柔らかい笑みを浮かべて手を振ってきたから、大丈夫な気がした。
誰もいなくなった1階。
「…さて、ひと仕事しますか」
ボソリとそう呟いて、桜庭くんは外へと出ていった。