オオカミ彼氏
「…待って」
「ひゃっ!?」
立ち上がろうとしたその時。
私はまた桜庭くんに引き寄せられる。
…心臓の音、聞こえちゃうよ
すごいドキドキうるさい心臓。
桜庭くんに聞かれたくないのに、彼は身体をピットリとくっつけたまま、離そうとしない。
「…お母さんたち、待ってるから」
震える声でそう言うも、
「…うん」
ぎゅぅぅうっと抱きしめる力が強くなる。
「……少し補充させて。…疲れちゃったんだよね」
そう言うと彼は強引に身体を離して、
「…んっ!」
甘く、優しいキスをしてきた。
頭がクラクラする。
ドキドキしすぎて。