Wednesdays
雨の日のパン屋は、すいている。
ただ食パンだけがバタバタと売れていく。
喫茶店のように、軽食がとれるフロアは、久しぶりにがらんとしていた。
約3週間ぶりの雨である。
今日は、水曜日、だ。
そう思って、胸が少しざわついた。あの人に会える曜日だ。
カランと鳴ったベルに、胸が高鳴るのを感じながら、あえて知らんぷりして顔をあげない。いらっしゃいませ、と定型文を口にするだけ。
それぐらいが丁度いい、と思うから。
「……未来。今日、何時あがり?」
激しい雨がかかったのか、濡れたコートに身をつつんで、今日も宮本さんはやってきた。
ただ食パンだけがバタバタと売れていく。
喫茶店のように、軽食がとれるフロアは、久しぶりにがらんとしていた。
約3週間ぶりの雨である。
今日は、水曜日、だ。
そう思って、胸が少しざわついた。あの人に会える曜日だ。
カランと鳴ったベルに、胸が高鳴るのを感じながら、あえて知らんぷりして顔をあげない。いらっしゃいませ、と定型文を口にするだけ。
それぐらいが丁度いい、と思うから。
「……未来。今日、何時あがり?」
激しい雨がかかったのか、濡れたコートに身をつつんで、今日も宮本さんはやってきた。