神様修行はじめます! 其の五のその後
 しま子が、あたしをヒョイと担ぎ上げて自分の右肩の上に座らせた。


 そして門川君も同じように左肩の上に座らせる。


 しま子の身長の助けを借りた分、いつもより少し視界が高くなった。


 見える物といえば、破壊されてボロボロになった道場の床と、崩れたガレキの山だけ。


 でもそんな溜め息をつきたくなるような殺風景な視界の少し先には、可憐な花が咲いていて、あたしたちを励ますように風に揺れている。


 ガレキの先にも花は咲く。道はちゃんとあるんだよ。


「天内君、キミにも見えているかい?」


「うん。ちゃんと見えてるよ」


 あたしと同じ場所を見据えている門川君の言葉に、あたしは強くうなずいた。


 絹糸も、お岩さんもセバスチャンさんも凍雨くんも、マロさんも塔子さんも、みんな同じ方向を見ている。
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