君はヴィラン ―冷血男子は結婚に懐疑的―
「大丈夫ですか!?」
蘇芳が駆け寄って抱きとめると、核になっていた女性は安心したように意識を手放した。
「南雲さんっ!」
由真が追いつきながら言った。礼門には、作戦行動中はコードネームで呼ぶように言われているが、公共の場所で言うのは恥ずかしくて、ついいつもの調子で呼んでしまう。
「大丈夫、生きてる」
手慣れた様子で女性をお姫様抱っこしている蘇芳が答えた。
よかった、と、思いながら、由真は、女性が意識を失いかけている時、手を伸ばした先に人影があった事を気にしていた。
意識を手放そうとした刹那、女性が助けを求めるように腕を伸ばした先にいた人影。
長身のスーツ姿(コスプレスーツではなくて、ごく一般的なサラリーマンが着用するような)の男性……。
ジョギングで見かけるあの人に、少しだけ似ている、と、由真は思ったが、意識しずぎて、似た面差しの人を見間違えたのだろうと、すぐに女性を救急搬送する方へ意識を集中した。
蘇芳が駆け寄って抱きとめると、核になっていた女性は安心したように意識を手放した。
「南雲さんっ!」
由真が追いつきながら言った。礼門には、作戦行動中はコードネームで呼ぶように言われているが、公共の場所で言うのは恥ずかしくて、ついいつもの調子で呼んでしまう。
「大丈夫、生きてる」
手慣れた様子で女性をお姫様抱っこしている蘇芳が答えた。
よかった、と、思いながら、由真は、女性が意識を失いかけている時、手を伸ばした先に人影があった事を気にしていた。
意識を手放そうとした刹那、女性が助けを求めるように腕を伸ばした先にいた人影。
長身のスーツ姿(コスプレスーツではなくて、ごく一般的なサラリーマンが着用するような)の男性……。
ジョギングで見かけるあの人に、少しだけ似ている、と、由真は思ったが、意識しずぎて、似た面差しの人を見間違えたのだろうと、すぐに女性を救急搬送する方へ意識を集中した。