千年前の約束を言われても、困ります
千年前の約束をいわれても困ります

私の生活の侵入者は曲者で


 窓から覗く外の世界は、白い雪がしんしんと暗い空の中降っている。そんな寒い夜、一軒の家で誕生日パーティーが開かれていた。白いテーブルクロスの上にはシャンパン、そして苺と生クリームで可愛くデコレーションされたケーキが並べられている。


「麗花様、17歳の誕生日おめでとうございます」


 田村家の家政婦として働いて10年になるフミさんは、にこやかに言った。
 両親を幼くして亡くした私は、神社を営む祖父母のもとに引き取られた。祖父母は幼い私が悲しまないようにと、母と年の近い家政婦を雇ったのだ。私に両親の記憶はほとんど無く、フミさんが母親同然の存在だった。


「ありがとう」


 私は甘いケーキを頬張りながら、1月3日17歳の誕生日を迎えた。









—この日を境に私の人生が変わるなんて、夢にも思っていなかった。





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