千年前の約束を言われても、困ります
私は頭が痛くなり、気が遠くなるのを感じた。
「姫様、ようやくお目覚めになられましたか。我ら一同、貴女様を心待ちにしておりました」
どこからともなく、頭の中に声が響く。その声は決して若い者のものではなく、いくらか年代を老いた男性であった。そしてそれが妖たちの声だということに気が付くのに時間はかからなかった。
「…ひ…め……?」
「ええ、主もお喜びに違いありません」
―何のことを言っているのか。
―あなたたちは一体なんなのか。
―主とは誰か。
私は何一つ覚えがなく、訳がわからなかった。
先ほどからガクガクと震えている足の力が抜けたことにより、私は意識を失った。