婚活女子とイケメン男子の化学反応
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あれから二週間。
ちょうど年度末の忙しさと重なって、あまり思い出さずには済んでいたけれど。
ふとした瞬間、頭をよぎる。
村瀬さんの困惑した顔。
きっと、もの凄く失望させたに違いない。
あの日の私は泣いていただけで、自分の気持ちを言葉で伝えることさえできなかった。
あれじゃ子供と一緒だ。
30にもなって情けない。
私を良くしてくれようと真剣にアドバイスしてくれた人に、あれは無かったなと自分でも思う。
結局、退会するのも気が引けて、そのままにしてしまったけれど。
今から面談の日が憂鬱だった。
村瀬さんに会わす顔がない。
いや…初めから見せたためしもなかったけど。
思わずため息が漏れる。
なんか私って……。
人としてホントに最低だ。
……………
そして、三日後、とうとう面談の日を迎えた。
緊張しながら部屋に入ると、村瀬さんはパソコンに向かったまま、「どうぞおかけ下さい」と呟いた。
目を合わせないのは、どうやら私に気を遣ってくれているらしい。
私は村瀬さんに向かって頭を下げた。
「この間は、すみませんでした」
そして、村瀬さんの横顔を見つめながら、こう続けた。
「実は私、人の視線が凄く怖いんです。この前髪はそれを少し和らげてくれる大事な役割をしてるんです。それに今の外見がありのままの私なので……外見だけをお洒落に変えてもらっても、返って相手にガッカリされる気がして…余計にプレッシャーなんです。これが理由です」
一気にそう言うと、村瀬さんが呟いた。
「そちらに振り向いても大丈夫ですか?」
村瀬さんの言葉に、私はゴクリと唾を飲み込んでから頷いた。
「はい。お手柔らかにお願いします」
気合いを入れながら待っていると、村瀬さんがプッと吹き出した。