蝶の羽ばたきで野原を守っちゃいます!
上がって痛む腰をさすっていると芝生の向こうから豹柄の野良猫が近づいてきていた。
歩く時、振動が無いから分からなかった。流石猫だな。
感心しているうちに猫はこちらを見つけたようで、さっと前肢を伸ばしてきた。
「うわぁっ!」
間一髪、横に跳んで回避。
だか猫は俺でも分かるほど楽しそうに目をギラギラさせて次を繰り出してくる。
右、左、右。
次々と繰り出される攻撃を必死にかわす。
こちらは死ぬ覚悟で避けてるのに、猫はそれを楽しそうに遊んでいる。
口元が緩んできている。怖いぞ、猫。
何回も避けているうちに猫も遊び心だったのがガチになってきたらしく、繰り出される前肢に爪が追加される。
いや、マジで当たったら死んじゃうよ俺。
猫との間合いを取ろうと大きく後ろにジャンプするとフワッと身体が浮いた。
もしかして?
俺の予想は外れ、すぐに地面に着地してしまった。
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