蝶の羽ばたきで野原を守っちゃいます!
逃げようにも身体が動かない。
猫の笑みがその鋭い歯をちらつかせる。
死ぬのか、俺。
普通に暮らしていたはずなのにいきなり虫人なんかになって、雀には襲われ、鳶に拉致(?)され、猫に殺される。
こんなはずじゃなかったのにな。
瞼が完全に閉じられるまえ、沢山の足音と、俺の傍らで必死に何かを叫んでいる少年が見えた。

あたたかい。
包み込むような温もり。
懐かしい。
いつぶりだろう、こんなに安心して身を委ねられるのは。
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