シェアハウス
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※※※
【女性限定シェアハウス。家賃3万】
ネットで見つけた、たった一行の短い文。
一人暮らしの経験がない私からしてみれば、初めて自分で契約する物件を探すということは、想像以上に心細くてとても不安なものだった。
(東京で家賃3万だなんて、相場の半額以下だけど……。本当に3万で住めるの? もしかして、掲載ミスとか……。でも、もしこれが本当なら凄く助かる)
2年同棲していた彼氏と別れ、私は早急に新しい家を探さなければならなかった。
大学進学を機に、田舎から上京してきて3年目。東京の家賃は想像以上に高く、とてもじゃないけど一人暮らしなどできそうもない。
大学の寮に戻ろうとも考えたけれど、生憎と、全て埋まっていて入居ができなかった。
『見つかるまで、ゆっくりしていいよ』
そうは言われたものの、別れているのにそのまま暮らし続けるのは何だか気が引ける。
(電話するだけなら、大丈夫だよね。おかしいと思ったら、辞めればいいだけだし……)
怪しさは感じたものの、その家賃の安さに惹かれた私は、記載されていた番号に電話を掛けてみた。
ビクビクとしながらも、耳にあてた携帯から聞こえてくる呼び出し音に集中する。
『——はい』
数回鳴って繋がった電話口から聞こえたのは、穏やかで優しそうな女性の声だった。
女性の名前は中西静香さん。大手企業で重役を務める、バリバリのキャリアウーマン。
そんな肩書きに、少し臆してしまった私。それでも、電話口から聞こえる優しい声はとても人当たりが良く、すぐに打ち解けた私は気付けば1時間近くも通話していた。
個室部屋で八畳一間の家具付き。バストイレ別で、初期費用なしの光熱費込みで3万。
そんな好条件と、静香さんの人柄に惹かれた私は、物件など見るまでもなく即決してしまった。
(早まっちゃったかな……。やっぱり、物件は見ておくべきだったかも)
後々そんな事を考えていた私は、キャリーバッグ片手に立ち止まると、やっぱり即決して良かったと改めて思った。
「わぁ……! 素敵な家」
目の前にある白塗りの可愛らしい家を眺めて、キラキラと瞳を輝かせる。
六十坪程の土地に建ったその家は、全体が白を基調とされている女性らし造りで、色とりどりのガーデニングがその周りに色を添えていた。
(本当に、3万で住めるのかな……?)
そんな不安を抱き始め、緊張で少しだけ震え始めた指先で目の前のインターホンを押した。
【女性限定シェアハウス。家賃3万】
ネットで見つけた、たった一行の短い文。
一人暮らしの経験がない私からしてみれば、初めて自分で契約する物件を探すということは、想像以上に心細くてとても不安なものだった。
(東京で家賃3万だなんて、相場の半額以下だけど……。本当に3万で住めるの? もしかして、掲載ミスとか……。でも、もしこれが本当なら凄く助かる)
2年同棲していた彼氏と別れ、私は早急に新しい家を探さなければならなかった。
大学進学を機に、田舎から上京してきて3年目。東京の家賃は想像以上に高く、とてもじゃないけど一人暮らしなどできそうもない。
大学の寮に戻ろうとも考えたけれど、生憎と、全て埋まっていて入居ができなかった。
『見つかるまで、ゆっくりしていいよ』
そうは言われたものの、別れているのにそのまま暮らし続けるのは何だか気が引ける。
(電話するだけなら、大丈夫だよね。おかしいと思ったら、辞めればいいだけだし……)
怪しさは感じたものの、その家賃の安さに惹かれた私は、記載されていた番号に電話を掛けてみた。
ビクビクとしながらも、耳にあてた携帯から聞こえてくる呼び出し音に集中する。
『——はい』
数回鳴って繋がった電話口から聞こえたのは、穏やかで優しそうな女性の声だった。
女性の名前は中西静香さん。大手企業で重役を務める、バリバリのキャリアウーマン。
そんな肩書きに、少し臆してしまった私。それでも、電話口から聞こえる優しい声はとても人当たりが良く、すぐに打ち解けた私は気付けば1時間近くも通話していた。
個室部屋で八畳一間の家具付き。バストイレ別で、初期費用なしの光熱費込みで3万。
そんな好条件と、静香さんの人柄に惹かれた私は、物件など見るまでもなく即決してしまった。
(早まっちゃったかな……。やっぱり、物件は見ておくべきだったかも)
後々そんな事を考えていた私は、キャリーバッグ片手に立ち止まると、やっぱり即決して良かったと改めて思った。
「わぁ……! 素敵な家」
目の前にある白塗りの可愛らしい家を眺めて、キラキラと瞳を輝かせる。
六十坪程の土地に建ったその家は、全体が白を基調とされている女性らし造りで、色とりどりのガーデニングがその周りに色を添えていた。
(本当に、3万で住めるのかな……?)
そんな不安を抱き始め、緊張で少しだけ震え始めた指先で目の前のインターホンを押した。
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