シェアハウス
※※※



【女性限定シェアハウス。家賃3万】


 ネットで見つけた、たった一行だけの短い文。
 それを見た私は、怪しいと思いながらも隣にいる美咲に携帯を見せてみる。


「ねぇ……。ここ、どうかな?」

「え〜。安すぎて怪しくない?」


 画面を覗き込む美咲は、そう言って怪訝そうな顔をする。


「だよね……。でも、一応電話だけしてみようかな」

「辞めた方がいいと思うよ」

「うん……。でも、一応。電話してみて変な人だったら辞めるし」


「絶対に怪しいって」と言う美咲を横目に、記載されている番号に電話を掛けてみる。
 規則正しく流れる呼び出し音は、プッと短い音を鳴らすとその先にいる相手へと繋がった。


『——はい』


 電話口から聞こえてきたその声は、とても穏やかで優しそうな女性の声だった。





 ー完ー

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