【短編】手のひらを、太陽に…
―夜7時―

 ―葵は洸さんと一緒にプラットホームに戻ってきた。
 右手の薬指に光るものをしていた。
 葵は、私に照れ笑いをした。


 その笑顔があまりに幸せそうだったことを、私はよく覚えている。


 彼女の笑顔は、こんな私でさえ幸せな気持ちにさせてくれた。




 人を信じないって誓った私が、この時もっとあなたを知りたくなっていた。


 もっともっと、葵とたくさん話をしたくなっていたんだよ―

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