【短編】手のひらを、太陽に…
 夜になり、葵の亡骸が霊安室に運ばれた頃、洸が駆け付けてきた。

 公英に案内され、洸は葵と対面した。

「葵…っ!」

 葵の右手に指輪がしてあるのを見ると、洸はその手を握り締めた。

「…ありがとう…、葵。」

洸は人知れず涙を流し、長い間葵の傍を離れなかった。

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