【短編】手のひらを、太陽に…
第1章 〜向日葵〜
シンライ…?
―他人なんて、信じられない。
信じても、裏切っていくもの。
「じゃあ、これまでの経緯を確認させていただくね。」
昼頃、志音の病室に来たのは桜井という児童福祉司だった。
―また確認かよ…。
先日も“確認”と言って警察の人が志音の入院までの経緯を話しにきたばかりだった。
桜井は児童福祉司。児童福祉司とは、18歳未満の子供が大人から虐待を受けているときに、その親や子供の相談や援助をする職業の人である。
つまり、志音は虐待されていたというわけである。
桜井が経緯を話し始めた―