【短編】手のひらを、太陽に…

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「うわぁぁぁぁぁ！！！」

　気合いを入れるが如く志音は叫び、自分の腹に包丁を突き刺した。

「うっ…！」
　鋭い痛みが腹部から響き渡り、志音はその場にうずくまった。

「…し…志音！！」

　父親は叫びながら志音の元へ駆け寄った。しばらくどうしたらいいかわからず、ただ志音の肩を抱きうろたえた。
　そして父親は志音に刺さっている包丁を抜いた。傷口から血が吹き出し、父親は全身に返り血を浴びた。　父親はびっくりしてただその場に包丁を持って茫然と立ち尽くしてしまった。
　志音は急に出血したことで意識がもうろうとしてきた。

そんな中で叫び声を聞き駆け付けてきたであろう近所のおばさんの声が聞こえた。

「御主人…まさかあなたが…！？」

　どうやら父親が犯人にされている…そんな会話が聞こえる中で、志音の意識は遠退いていった。



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