【短編】手のひらを、太陽に…
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志音が15歳の時、母親が浮気をしていることがわかり、その時から真面目で仕事一筋だった志音の父親は、家で母親に暴力を振るうようになった。
そんな事態が1年続いたある日、母親は失踪してしまう。
暴力を振るう相手がいなくなった父親は、今度は志音に暴力を振るうようになった。
数時間に及ぶひどい暴力に志音は耐え兼ねていたが、誰にもその事実を話すことができず、自分を置き去りにして失踪した母親のことさえも次第に恨むようになっていった。
そして、事件は起こった。
1週間前、いつものように父親に暴力を振るわれていた志音は、台所にあった包丁を父親に手渡した。
「そんなに私が憎いなら、いっそのこと殺せよ!」と言って…。
父親はその包丁を受け取り、志音の腹を刺した。
ただならぬ悲鳴を聞いた近所の住人が家に駆け付けたとき、父親は血だらけになって包丁を持っていた。
志音はその場で血を流し、倒れていた。
そして今、志音は一命を取り留め、この病院にいる。
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志音が15歳の時、母親が浮気をしていることがわかり、その時から真面目で仕事一筋だった志音の父親は、家で母親に暴力を振るうようになった。
そんな事態が1年続いたある日、母親は失踪してしまう。
暴力を振るう相手がいなくなった父親は、今度は志音に暴力を振るうようになった。
数時間に及ぶひどい暴力に志音は耐え兼ねていたが、誰にもその事実を話すことができず、自分を置き去りにして失踪した母親のことさえも次第に恨むようになっていった。
そして、事件は起こった。
1週間前、いつものように父親に暴力を振るわれていた志音は、台所にあった包丁を父親に手渡した。
「そんなに私が憎いなら、いっそのこと殺せよ!」と言って…。
父親はその包丁を受け取り、志音の腹を刺した。
ただならぬ悲鳴を聞いた近所の住人が家に駆け付けたとき、父親は血だらけになって包丁を持っていた。
志音はその場で血を流し、倒れていた。
そして今、志音は一命を取り留め、この病院にいる。
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