恋し、挑みし、闘へ乙女
「開いたよ、壁を押してご覧」
まさか、と思いながら乙女が押すと、壁の一部が回転式のドアになっているようだ、簡単に動いた。
「――よくこんな隠し扉を見つけましたね」
乙女が心底感心していると、「部下の一人がね」と綾鷹がおかしそうに笑う。
「忍者映画が大好きで、その研究を始めたんだ。で、趣味が高じて自分の屋敷を忍者屋敷に改造してね、その研究の成果が今回の発見に繋がったというわけだ」
隠し部屋の全てを見つけたのが、その部下だそうだ。
「それ、趣味の域を超えていますね」
「確かに。一定のレベルを超えるものは趣味とは言い難いね」
綾鷹に背中を押され中に入る。扉はすぐに閉まり真っ暗だ。手にあるペンライトをオンにして綾鷹に渡す。
「この廊下の先が部屋になっている」
綾鷹に手を取られ奥へと進むと広いスペースに出る。
だが、そこで目にしたのは……。
「これ……マジックミラーですか?」
先程、四つの部屋のドアを綾鷹が開けっ放した理由が分かった。
ドアから差す日の光で微かにだが各部屋の様子が見て取れる。
「そう、各部屋にかなり大きめの鏡があったろう?」
「まさか、鏡卿って、覗きが趣味だったとか?」
「そのまさかだと思うよ」と綾鷹が笑う。
まさか、と思いながら乙女が押すと、壁の一部が回転式のドアになっているようだ、簡単に動いた。
「――よくこんな隠し扉を見つけましたね」
乙女が心底感心していると、「部下の一人がね」と綾鷹がおかしそうに笑う。
「忍者映画が大好きで、その研究を始めたんだ。で、趣味が高じて自分の屋敷を忍者屋敷に改造してね、その研究の成果が今回の発見に繋がったというわけだ」
隠し部屋の全てを見つけたのが、その部下だそうだ。
「それ、趣味の域を超えていますね」
「確かに。一定のレベルを超えるものは趣味とは言い難いね」
綾鷹に背中を押され中に入る。扉はすぐに閉まり真っ暗だ。手にあるペンライトをオンにして綾鷹に渡す。
「この廊下の先が部屋になっている」
綾鷹に手を取られ奥へと進むと広いスペースに出る。
だが、そこで目にしたのは……。
「これ……マジックミラーですか?」
先程、四つの部屋のドアを綾鷹が開けっ放した理由が分かった。
ドアから差す日の光で微かにだが各部屋の様子が見て取れる。
「そう、各部屋にかなり大きめの鏡があったろう?」
「まさか、鏡卿って、覗きが趣味だったとか?」
「そのまさかだと思うよ」と綾鷹が笑う。